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更新日:2020年3月19日



去る2/16、宮古島では「宮古島冬まつり」

https://miyakojima-event.jp/event/fuyumatsuri2020/ という大きなイベントのなかで、主催者の方のお計らいで、宮古馬のための時間をいただきました。



15分ではありましたが、その日のために用意した映像と共に、ステージでお話しさせていただきました。こうした形で、宮古馬の現状を不特定多数の来場者にお話するというのは、初めてのことではないでしょうか。

また会場のなかにブースも設置、宮古馬コーナーが出現。 今回、お馬のあぐりちゃんの素敵な衣装を宮古原産の植物で飾ってくださったMさんと共にブースもまるで植物園のように仕立てることが出来、ここだけ別世界のようでした。

写真の展示、無料配布の宮古馬パンフレットもEARTH BOOKでつくり、いつもボランティアでお馬のお世話に来てくださっている方々の子供たちのお馬の絵や、自由研究もお借りして展示、チャリティグッズの販売など、訪れたたくさんの方に、宮古馬の現状をお伝えすることが出来ました。







会場の外では、お馬のアグリちゃんが荷川取さんと共に出張してきてくれ、子供たちをお迎えするために待機していたのですが、この日の宮古島は北風が強く、本州並みの凍える寒さ、しかも無情の雨、ぶるぶる震える中、あぐりちゃんたちは、しばらく待っていてくれたのですが、さすがの子供たちも出てこれず、引き上げました。これだけはほんとに残念ですが、しかたありません。




ブースの近くには、下地宮古島市長さまもいらしたので、パンフレットをお渡しし、一緒に記念撮影もしていただきました。





宮古馬のこれからの施策に、参画させていただけたらと思いながら、一方で、同時に民間で力強い動きを創り出すことも大事、と、まったく及ばずながらも、まずは動いてきた三年。

馬のことを進めるというのは大変困難でもあり、こちらの力不足でもあり、なかなか形をつくるのに時間がかかっていますが、少しずつでも出来るところから始めています。


宮古馬がここまで命を繋いできたのは、ひとえに、宮古馬を想い、私財を投じて馬のための環境を整えてきた飼育者と、それを支えるボランティアの力です。

もし、そうした民間の努力がなかったら、いまごろ宮古馬は絶滅していたことでしょう。


市側は、これから観光目的の馬使用を始めようとしています。

大切なことは、どのように進めていくかは、オープンな形で、あくまでも馬主体で組み立てて行かなくてはならない、ということです。

そして、それより前にまだ最低限やらなくてはいけないことはあり、そこに向かい合うことが先決だと思います。


未だ50頭以下で、近親交配が進んでしまった現状の改善、この何十年もされたことのない計画交配、預かり飼育者の赤字負担、等々、そこはスルーしたまま、’経済的利活用’のみにスポットが当てられています。 その前にまずは、馬の健全な保護育成が大事です。

相変わらず劣悪な環境下で、幽閉同然の馬の存在もあります。

それらは隠されるものではなく、開かれていかなくてはなりません。

全頭へのフェアな最低限の環境つくりのないままの、観光化への動きには疑問符がぬぐえません。一頭でも、見捨てられることのない健全な飼育環境づくりが急がれます。

今の状況では、なにかあればまたたく間に絶滅する可能性大。その不安要素を取り除くため全力を尽くす、その改善努力こそが第一ではないでしょうか。


とはいえ、これらのことは、市だけでできることではなく、そうした馬のこれからのことは、ぜひ私たちも市をサポートできる開かれた窓口の創設、市民と共に馬の未来がある、官民共に馬のことで協力しあう、そんなクリエイティブな形ができることを願い、その実現に思いを向けていきたいです。


深い見識でもって、進めていかなくては宮古馬はまた苦難の道を歩くことになります。

在るべき共存の道へは、より多角的な視点からの検討を重ね、オープンに創り上げて行くことが求めらるでしょう。


今回の出展とお話の機会を与えてくださった、宮古島冬まつりの実行委員の方に感謝いたします。

こうした機会をこれからも増やしていけたらと思います。




 アグリちゃんも寒い雨のなか、おつかれさまでした。


EARTH BOOK

矢谷左知子

閲覧数:254回

EARTH BOOKのページを綴る人々との対話 -vol.3-


自足で暮らす

発酵農園ジャー村の日々


おはなし

村上厚介さん

a.k.a

Jahmura Gautama




二年前、鎌倉の友人の牧ちゃんの旦那さま、ジャー村くんの麹つくりワークショップに初めて参加しました。

春分の日にも関わらず、凍える寒さ、おまけに雪まで降ったその日、ギュウギュウの会場でのジャー村くんのお話、農園の写真から伝わる暮らしぶりは大変興味深いものでした。

熊本の彼の稲や農作物の、尋常ではないほどの見事な成りよう、その姿の美しさ、整えられた風土、景観に息を呑み、

いちどきに作る沢庵や、梅干しの、その量に、度肝を抜かれます。

軽々として、どーん、とダイナミック。

彼からは音源もいただいて、セレクトもとても良く、その後、宮古馬のショートムービーにいくつか使わせてもらいました。

農の暮らしに至るまでのジャー村くんのセンス、それが総合的な創造型となり、今の自足の暮らしと結びついた背景も感じました。

この度の来鎌倉に併せて、小さなお話会をお願いしてみました。

当日は奥さんの牧ちゃんも来てくださいます。

静かで温かい、染み透るひとときとなるでしょう。

発酵農園の農産物、加工品も並ぶかもしれませんよ。


EARTH BOOK

矢谷左知子


【日 時】 3月24日(火)13:30-16:00ころまで

【 処 】 草舟 on Earth

【参加費】    3.500円 (お茶・発酵農園の甘酒・沢庵、味噌、試食付き) *草菓子もあるかも。。


【参加お申し込み】

要予約

EARTH BOOKのHP、contactページ 

https://www.earth-book.com/contact よりお申し込みください。

人数も明記ください。

当日精算になります。

お申し込みの方にアクセスをご案内します。



【話し手プロフィール】 ジャー村(発酵農園)from くまもと 1981年生まれ。30才まで、熊本市内でサウンドエンジニア、オーガナイザーとして、音楽活動に励む。3.11の原発事故をきっかけに、玄米菜食の暮らしともに、自給自足を始めると、病弱な体が健康体になりました。性格も明るくなり、食の大切さを実感し、里山に移住。阿蘇外輪山を源とする湧水棚田で、1町の田んぼに手植え、手刈り、天日干しで自然栽培のお米を育てています。米麹、味噌、醤油、沢庵なども手作りしながら、販売、ワークショップもしています。『現代農業』にお米づくりの記事を中心に連載中。 https://www.facebook.com/profile.php?id=100009070609642


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主催:一般社団法人EARTH BOOK

web site  https://www.earth-book.com

閲覧数:263回

更新日:2020年3月10日


EARTH BOOK Talk Live 「EARTH BOOKの頁を綴る人々」vol.2 【狩猟・採集と大地の再生 身体の呼応】レポート

去る2/29、各所ではイベントも自粛というなか、お話会を予定通り開催させていただきました。 予想に反してキャンセルの方も少なく、当日は朝になってからのお申し込みも続々、と、会場は定員の30名を上回る盛況となりました。 ご参加の方たちも、遠くは山形、栃木、千葉からもお訪ねくださり、あらためまして、この時節にお集まりくださった方々に御礼申し上げます。 今回は、自然界での労働に於ける身体感覚という、表出させるのが大変むずかしいテーマでのお話会でした。 もとより、足りないファシリテーション能力も大きな原因でありますが、次々に話されていくその場のお話は、とてもまとめあげることできず、むりにまとめるのも野暮、と、定めることなく漂流させることに。。;; ただ、ゲストから発せられる確かな言葉、日々向き合う現場の中でそれぞれの身体に刻まれた唯一無二の実感、そしてその先に立ち上がるものを共有したい、というこの度の目論みでした。 なぜ?、、なぜなら、 その感覚こそが、他の生命との共生の鍵となる、 他種との共通言語となり得る、人間としての大事な身体感覚ではないか、というこの数年の自分の確信からです。 それが見落とされている限り、共生という次元に行き着けないのではないだろうか、と。 掲げたテーマ自体、分類も曖昧で、また、これまで繋がってきていながった領域。 そこ、に足をかけたい、と、とにかく船出してみた、そんな茫洋としたひとときになったと思いますが、やはり矢野智徳さん、赤田龍太郎さんのお話は、比類のない、この時代に大事な核の部分ではないか、とあらためて確認させられる内容でした。



舞踏、武術、それらの身体アートは、身体そのものに焦点を当てて、その洗練性を高めていくものです。 大変興味深く思っているものですが、時としてそれらは、身体そのものへの意識が過剰になりすぎる分、逆に本質から遠ざかっているように感じるシーンにも出逢います。 一方屋外での身体労働では、まず仕事の遂行ありきであり、結果的に動きの錬磨がついていくというものですが、とくになぜかこの国の人々は、さまざまな仕事ごとに、そこで必要な動きを極めてしまう性向があるように思います、その意味ではアートが目指している領域に、あっさり乗り上げてしまったりもします。 理にかなった動きをしているからこそ、現れるものですが、さらにその先の精微なところまで捉えられる感度がある人のもとには、完璧な動きの美が出現します。 身体労働に於いて、そこに達している人は稀有だと思うのですが、まさにそこに連なる方々として、大地の再生の矢野智徳さんと、猟師の赤田龍太郎さんを今回お招きしました。 そしてお二人とも、その仕事の相手は、自然、 そして、’間に位置する人’ 獣と人の間、 大地、空気、水と人の間、 このお二人とお会いした時に、ああ、やっとそこを共有できる人が現れた、と思いました。


矢野智徳さんのお仕事は、現代土木が本来為すべき道筋とは違う方向性へ走り続けてきた結果、ダメージを受けてしまった日本中の山、森、川、沿岸部の詰まり

を取り除き、命脈を蘇らせ、大地を息づかせる、大地の修復再生に労を惜しまず奔走していらっしゃる環境再生士です。




そして赤田龍太郎さんは、相棒のオオカミ犬と共に、野山を駆け巡り、時に這い、鹿や猪、穴熊猟をする猟師。 銃ではなく、自らの手で仕留め、いただいた命を余すところなく次の形へと送り出す仕事をされています。



それぞれの現場は当然ながら野外、そして、どこも待ったなしの現場とでもいうべきところ。 人間界での知識で太刀打ちできるところではない。 そしてその時に、力づくではない、たいへん微細な対応でことを読み解き、遂行していくこの両氏の身体性、極度に洗練された身体感覚を私は感じ取り、ぜひ、お二人に仕事に於ける、その感覚のお話を伺いたい、と、この度のかなり説明しがたい領域のお話会でした。



私自身、栽培をしない、採集文化のなかでの草仕事の現場は、常にやぶの中、雑草の代表格ともいえるものが自分の素材のため、未踏の現場で素早く動き、作業を納める繰り返し。常に身体を研ぎ澄ませて労働してきたなかで、たくさんのことを感じ取らせてもらってきましたが、そこを共有できる人がいなかった、分かっている人のお話を伺ってみたい、、という長年の夢がかなうのが、うれしくてしかたありません。





当日は、龍太郎くんが、山の獣たちが里に降りてきて果たす大地再生の、動物たちの仕事の話、家族として周囲に居る人や共に暮らす動物たちとの身体を通じたコミュニケーション、互いに日々ケアしあう本当の意味、大切さ、山での猟の際のさまざまな出来事、身体感覚、、


矢野さんは、日々の大地の再生のこと、被災地での復興での気づき、また、格言としての「百聞は一見に如かず」のその先の「百考は一行に如かず」が意味するところからの身体論、「足るを知る」と言う格言の意味合い、足らない、というのが本来の生命を生み出す源、足らず、不安定、というところにエネルギーの脈動がある、車や重機なども日々一緒に仕事する仲間としてその能力を引き出していく感覚のお話、等々、


それぞれが話された内容、世界観を、ひとつの身体論に帰結することは到底できず、能力オーバーな試みでしたが、懲りもせず引き続き、またこうした実感と実体験を伴った、大事な感覚の領域を拡げていく機会を持てたら、と思っています。 繰り返しになりますが、その身体感覚こそが、他の生命との共生の鍵となる、と確信するところがあり、 宮古馬との共生という課題に日々向かい合う昨今、 そこをもう少し探ってみたいと思うものでもあります。 当日、お集まりくださった皆さま、サポートいただいた方々、ありがとうございました。 動画の記録もしていただいたので、後日シェアの機会も持てたらと思っています。













いつもながら、参加者の皆さまのクオリティの高い質疑で、この茫洋とした采配に、締めくくりのお助けをいただきます。

みなさまいつもありがとうございます;;


矢野さん 矢谷 龍太郎くん

最後、残っていた方々と記念撮影、ほとんどの方がお帰りになってから気がつきました。 いつも忘れてしまいます。すみません。


<おまけ> そういうわけで、この三者に共通するのは、忍者の要素でもある、、?のですが、

龍太郎くんが、矢野さんの大地の再生の教えを読み解き、それを絵に描いて詳しく表わしたものを、EARTH BOOKが絵巻物にしました。

忍術の書のような風体に。

名付けて「大地の書」

当日販売させていただきましたが、今後オンラインショップでも扱えるようにしたいと思っています。

EARTH BOOK 代表  矢谷左知子


special thanks to

Takeshi Ijima Noriaki Furuya

閲覧数:391回
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